刺し子とリセット術
昨日の午前中は、先輩に「刺し子」を習いに行きました。
以前、きれいな模様が一面に刺繍された「さらしふきん」を見てびっくり、
裏もきれいで、美しいし、なんだかあたたかい感じがするなあと。
感動していたら、一緒に刺し子をする会を企画してくださいました。
「刺し子をしていると、頭の中がからっぽになっていって気持ちいい」
「だからね、むしゃくしゃしたときにやるのよ(笑)」
「そしたら、すーっと鎮まっていく」
先輩たちは、口々に言っていました。
手を動かすと、心が動く ということだなあ。
「ちょこっとやって、途中でおいておけるのもいい」
「ちょっと時間あったら ちょっとやるの」
自分のためのリセット術のよう。
「あんまりカッチリ考えないで すきにやったらいいのよ~」
「図案のパターンで、次はどんなふうに進もうかなって思うとき楽しいでしょ~」
そう語る先輩は、とてもかわいらしくて素敵で、
こういうふうに年を重ねたいなあと思うのでした。
私が選んだのは、稲穂が垂れているような柄。
帰ってから調べてみたら、「野分」(のわけ)というそうです。
秋に吹く風のことです。
「ちくちく縫い」って好き
それを「やってる時間」が好き
どちらかというと出来上がったモノよりも(笑)。
自分のことがまたひとつわかった日でした。
刺し子とは
藍色の布に白い糸で線を描くように刺しゅうする刺し子は、日本に古くから伝わる伝統的な刺しゅうです。その素朴で美しい技法は、庶民が日々暮らしていく上で生活の知恵から編み出されました。 刺し子が生まれたのは16世紀初頭までさかのぼり、今から500年ほど前の時代です。全国各地にこの技法を施したものが見られるため、その発祥の地は定かではありませんが、特に東北地方に伝わる刺し子が広く知られています。
厳しい寒さを凌ぐために防寒、補強として、衣料に刺し子をしたことがその始まりと言われています。今では刺し子本来の防寒や補強の役割は薄れていますが、花ふきん、クッション、バッグなどに刺し子の伝統模様は使用され、身近に取り入れられています。 さらにキルトの模様を刺し子で表現したり、新しい感覚でオリジナル図案を考え、楽しむ事もできます。
出典:オリムパス製絲株式会社「刺し子の基本」